子供に英語のことで怒ってしまった夜|同じ母親として、寝顔の前で後悔した話をします

公開日: 2026-09-16
子供に英語のことで怒ってしまった夜

レッスンが始まって十分ほど。画面の向こうで先生が絵カードを見せているのに、うちの子は椅子の上でくるくる回り、カメラに向かって変顔をしている。先生は笑って流してくれている。けれど私の中で、何かがぷつんと切れました。「ちゃんとやりなさい!」——自分でも驚くような大きな声が出て、子供は一瞬びくっとして、それから黙りました。

残りの時間、子供は画面をじっと見つめたまま、ほとんど何も言いませんでした。先生が「Good job!」と言って手を振っても、小さく手を上げただけ。レッスンが終わって、画面が暗くなって、部屋に残ったのは、重たい静けさだけでした。

その夜、寝顔を見ながら思いました。私は何のために、この子に英語をやらせているんだろう。楽しんでほしかったはずなのに、今日いちばん英語を嫌な時間にしたのは、先生でも教材でもなく、私だった——。そう気づいた瞬間、涙が止まらなくなりました。

もし今、あなたが同じような夜を過ごしているなら、まずこれだけ受け取ってください。怒ってしまったことは、あなたが悪い母親だという証拠ではありません。それだけ真剣に、この子の時間に向き合っていたということです。私自身、同じように寝顔の前で後悔した夜が、一度や二度ではありません。

怒鳴ったのは、子供のためじゃなかった

少し落ち着いてから、あの瞬間を巻き戻してみると、気づくことがあります。「ちゃんとやりなさい」と叫んだとき、私の頭の中にあったのは、子供の英語のことではありませんでした。

画面の向こうで、時間を割いて待ってくれている先生に申し訳ない。この20分にも月謝を払っている。ふざけている姿を見られて、親としてどう思われるだろう。——並べてみると、全部「私」の都合です。子供が今、英語をどう感じているか、という視点は、あの瞬間にはどこにもありませんでした。

これは責めるために書いているのではありません。むしろ逆です。怒りの出どころが「子供のため」ではなく「自分の焦り」だったと気づけたなら、そこにはもう、次に同じことをしないための手がかりがあります。焦りは、気づかれると小さくなる。私はそう思っています。「今、私は先生に申し訳なくて焦っている」と心の中で言えるだけで、声を出す前に一呼吸が入ります。

そして、レッスン中にふざける子の多くは、英語が嫌なわけではありません。集中が途切れたり、体を動かしたくなったりするのは、年齢相応のことです。そのあたりのことは子供が英会話レッスン中じっとしていない・ふざける|同じ母親として、叱る前に知ってほしいことがありますに詳しく書きました。

子供に英語のことで怒ってしまった後悔は、翌日に生かせます

怒ってしまった夜にできることは、正直、あまりありません。寝顔に謝っても、本人には届きませんから。でも翌日には、できることがあります。

子供は、親が思うよりずっと、親の機嫌を見ています。昨日の大きな声を、子供の側は「英語のとき、ママは怖くなる」という形で覚えていくかもしれない。それを「英語のとき、ママは焦っちゃうことがあるけど、ちゃんと謝ってくれる」に書き換えるチャンスが、翌日にはまだ残っています。

これまで「叱ってしまった翌日、どう接したらいいでしょうか」というご相談を、何度もいただいてきました。私がいつもお伝えしているのは、取り繕わなくていい、ということです。何もなかったふりをするより、短く、正直に、謝る。それだけで、子供の中の物語は変わります。

謝ると親の立場が弱くなるのでは、と心配される方もいます。でも子供がそこで学ぶのは、「大人も間違えるし、間違えたら謝る」という姿です。それは英語の単語よりずっと大事なことを、レッスンのついでに教えていることになる。私はそう思って、翌日の「ごめんね」を、負けではなく手渡しだと考えるようにしています。

今日からできる小さなこと——修復は、短い言葉でいい

ひとつめは、翌日に一言だけ謝ることです。長い説明はいりません。「昨日ごめんね。ママ、焦ってた。あなたのせいじゃないよ」——これだけです。「焦ってた」と自分の状態を言葉にするのがポイントで、子供は「怒られたのは自分が悪い子だから」ではなく「ママの中に焦りがあったんだ」と受け取り直すことができます。「でも次はちゃんとやってね」を付け足したくなりますが、そこはぐっとこらえてください。付け足した瞬間、謝罪が条件つきになってしまいます。

ふたつめは、次のレッスンで横に座らないことです。少し離れた場所で家事をしながら、聞こえてくる声だけを聞く。視界に親がいないと、子供は不思議とふざけ方が変わります。ふざけて見せる相手がいなくなるからです。そして親のほうも、目の前で見ていないぶん、口を出したくなる衝動から距離を置けます。終わったあとに、「今日、先生の声が楽しそうだったね」と、内容ではなく空気のことだけ伝えてあげてください。

横で見ていないと不安、という気持ちはよくわかります。でも、ふざけた場面を親が全部拾って埋めなくても、レッスンは成り立ちます。あい子供英会話の先生たちは、マンツーマンの20分の中で、ふざける子、黙る子、途中で飽きる子と毎日向き合っています。毎月の審査とトレーニングで、待つこと、切り替えること、を繰り返し確認しているのは、そのためです。先生が待てる人なら、親が先に埋めなくていい。私はそう考えて、レッスンを設計してきました。

怒ってしまった夜は、消えません。でも、その夜があったから、翌日に「ごめんね」を言える親になれた。そう思える日が、きっと来ます。同じように寝顔の前で泣いたことのある母親として、あなたを責める気持ちは少しもありません。一人で抱え込まないで。焦りと後悔の間を行ったり来たりしながら、それでも一緒に育っていきませんか。

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