「先生に “How are you?” と聞かれると、うちの子はいつも “I’m fine, thank you, and you?” で止まってしまうんです」
あるお母さんから聞いた話です。
週1回、1年半。一度も休まず通い続けた。テキストも少しずつ進んでいた。月謝も払い続けた。なのに——実際に子供が話す英語を聞いて、愕然とした。
“I’m fine, thank you.” の後が続かない。先生に何かを続けて聞かれると、ただ笑って下を向いてしまう。
その夜、子供が寝た後に、彼女はこっそり泣いたそうです。
「なんで伸びないんだろう。この子は英語に向いていないのかな」と。
でも——原因はお子さんではありませんでした。
理由①「週1回」では、英語は積み上がらない
週1回のレッスンで英語が話せるようになるとしたら、それは学校で週1回の体育だけでスポーツが上達するようなものです。
英語は「習慣」であり「量」です。
週1回のペースでは、次のレッスンまでに7日間のブランクが空きます。幼児・小学生の記憶力でこの7日間を放置すると、前回学んだことの多くがリセットされた状態でスタートになります。
学んでは忘れ、学んでは忘れ——この繰り返しでは、英語の土台が積み上がっていかないのです。
英語を「得意」にするには、最低でも週3回、できれば毎日、英語に触れる環境が必要です。
理由②「先生によって指導がバラバラ」では、積み上がらない
子供が “Yes.” だけで答えを終わらせてしまったとき、先生はどうするでしょうか。
多くのスクールでは、先生によって対応が違います。
ある先生は次の質問に移る。ある先生は “Speak more!” と促す。ある先生はそのまま笑って流す——。
子供の脳は正直です。「この答え方でいいんだ」と学習します。
「”I went to the park.” のあとは? ”I played soccer with my dad there!” まで話してごらん」
フルセンテンスで答えさせる。この一貫した習慣の積み重ねが英語力の根っこです。
先生が誰に変わっても同じ基準・同じ要求水準で指導してくれる環境があって初めて、子供の英語は着実に積み上がっていきます。
理由③「インプットなしのアウトプット」は、砂の上の城だ
もう一つ、見落とされがちな事実があります。
英会話レッスンは「アウトプット(話す)の場」です。でも、アウトプットは「インプット(聞く・読む)の貯金」があって初めて機能します。
レッスン以外の時間——週168時間のうちの残り167時間——お子さまは英語に触れているでしょうか?
英語が伸びる子と伸びない子を分けるのは、レッスンの質だけではありません。レッスンとレッスンの間のインプット量が、決定的な差を生みます。
毎日の絵本読み聞かせ、音声を流しながらの読書、多読の習慣——これがあってこそ、レッスンで学んだことが血肉になる。
インプットなきアウトプットは、砂の上の城です。どれだけレッスンを積み重ねても、崩れ続けます。
「でも、私は英語が苦手で何をすればいいかわからない」
そこで止まってしまう保護者さまが、本当に多い。英語が苦手な保護者さまが家庭でのインプットを継続できるかどうかも、実は教室のサポート力で大きく変わります。
「仕組み」が変わった日、子供が変わった
先ほどのお母さんは、ある決断をしました。
週1回から、週3〜4回に通える教室へ。先生が変わっても指導方針と教材が完全に統一されている教室へ。家でのインプットの方法を、英語が苦手な自分でも分かるよう、いつでも日本語で相談に乗ってもらえる教室へ——。
3ヶ月後。
「先生に “What do you want to do this weekend?” と聞かれたとき、うちの子が “I want to go to the aquarium with my family because I love dolphins!” って言ったんです。思わず涙が出て」
子供が変わったのではありません。
子供の周りの「仕組み」が変わったのです。
英語が伸びない本当の原因は、お子さまにはありません
英語が伸びないのは、才能でも努力でもありません。
「頻度」「一貫した指導」「インプットの仕組み」——この3つが揃った環境に出会えているかどうか、それだけです。
「うちの子は英語に向いていないのかも」と感じているとしたら、どうか一度だけ考えてみてください。
本当に向いていないのか。
それとも——ただ、伸びる環境に、まだ出会っていないだけなのか。